面談の経緯
事業の特性上、投資に多額の資金を要するため、借入だけではキャッシュ・フローが苦しくなるため、漠然と投資家から資本調達を考えていました。
投資家に求める要件としては、
- 中長期な目線で事業活動を支援してくれること、
- 投資家と協業等により双方にとってシナジーが見込まれること、
を期待していました。
具体的な投資家としては、事業会社かCVCを想定しており、ここの投資家と将来的に組みたい(投資して頂きたい)と思える投資家も何社か定まっていました。
そんな中、米系VCの方と偶然知り合いになり、資金調達の相談に乗ってもらえることになりました(こちらは、出資のお願いですが)。
私が投資家に求めるものと異なる投資スタンスであることは理解していたものの、ベンチャー・キャピタリストの方に資金調達の相談をしたことがなかったため、相談に乗ってもらうことにしました。
面談の内容
実際に話をしてみると、ビジネスモデルのユニークさや収益性は理解は示してくれましたが、投資するにあたって以下の課題点を提示してくれました。
- VCが投資回収までに求めるスピード感に合わせる必要がある。要は、投資回収までの期間が長すぎる。
- 上場時で150‐200億円程度の企業価値であれば、5-7年の投資期間に対して小さ過ぎる。5-7年で10倍になる程度では、エクイティ投資家の目線には合わない。
話している中で、「投資の回収」という言葉が多かったのに困惑してしまいました。事業コンセプトは維持しつつも、彼らの投資回収のスピードに合わせるため、ビジネスモデルを変えていくことのディスカッションに時間を使いましたが、疲れてしまいました。
普段そういう頭で事業を考えていかかったので、理屈は分かっても、腹落ちしなかったというのが正直なところかと思います。あとは、資金調達のために、事業の根幹を変えるべきではないと、心の底で思っていたからだと思います。
私は企業価値には、経済的価値に加えて社会的価値も含まれると考えています。一方で、彼らは経済的価値しか考慮しておらず、そこに大きな隔たりがありました。あまり、「社会的意義の追及を意識しない方がよい」とのコメントもありましたし。
だからと言って、彼らのことを嫌いになる訳ではありません。当然と言えば当然で、彼らVCファンドも投資家に対してリターンを出し続けないといけない訳で。
寧ろ、こちらからアポをお願いして、貴重な時間を割いて頂いて、感謝の念しかありません。もう少し、成長した暁には、再度お話しをらさせて頂きたいと思っています。
面談を通じて
今回の面談を通して、私が当初考えていた、中長期に支援してほしいという、投資家に求めることは間違っていなかったのだと思いました。
逆に言うと、中長期目線での事業支援や、投資家の事業との協業を視野にいれてくれる投資家でないと、社会的課題の解決を目標とするRennovaterには投資してくれないということ。
まぁ、Googleも最初の資金調達までに500回のピッチを行ったとのことですので、諦めずに頑張りましょう!